〜分析結果サンプル〜
中華邪仙ド貧乳エルフ師匠をちんぽでこらしめるやつ@NEO/鵺野新鷹
『9』
……平凡な少年の、夢を見た。
少年は貧しかったが、長男だった。
幸いなことに身長が高かったため、年を誤魔化して方々で働いた。
両親は生きていたし、弟妹も多い。
働き手が、必要だった。
「兄弟には、学校とか行かせてやりたいなあ」
それが彼の口癖だった。
必死で働いても貧困からは抜け出せなかったが。まだ幼いと言える年頃であったが。
彼は責任を得て、そして確かな満足感を得ており、そして夢を持っていた。
自分については、諦めている――否、自分よりも、兄弟たちの方が優先度が高い。
そうして、手足が伸びきったころ。母が、病に倒れた。
病を得ても、医者に見せる金はない。
彼はこれまで以上に必死に働いた。
彼は、家族を心から愛していた。
そんな時だ。
「――おめえ、魔力あるんじゃねえの?」
「えっ?」
数年来の馴染みの日雇い仕事の給料を受け取る時だった。
髭面の監督が、彼をまじまじと見て言ったのだ。
「そんな。僕には関係ないですよ」
「いやいや。俺にはわかる。いや、真面目にな。なんでも、俺にも魔力つぅのがあるみてぇでな。あんま強くねえらしいけどよ」
少年が生まれる少し前から、世界は変わり始めていた。
切っ掛けは、日本の首都に3発目の核爆弾が落とされたことだ。
核爆発は、元首の展開した最大出力の結界と相殺されたが、同時に国家を守護する結界を消滅させることとなった。
折り重なった奇妙な均衡により保たれていたバランスが、それによって崩れたのだ。
少年が生まれる少し前というのは、それが表に出始めた時期であり――1970年、日本が人外に人権を認めたというニュースは、当時10歳にもなっていなかった少年でも知っているほど有名な事柄だった。
「はぁ……はい。でもどっちにしろ、使い方を学んだりとかしなくちゃなんでしょう? ちょっと、そんな暇は……金もないですし」
実際のところ、彼は己の力について無自覚だった。
生まれたときからあって当然のものであったこと。
魔法や魔力を知る者が、周囲にいなかったこと。
指摘の困難な、希少特異な属性であったこと。
いくつかの要因が重なって、彼は無自覚だ。
「いやいや。なんでもな、宗主国様が、魔力のある子どもを集めてるんだってよ」
「えぇ、と。……もしあっても、家族を置いていくわけには……」
「いや、それがな、こっちの方で試験も勉強も、なんもかんもやるんだって話でな。学べるだけじゃなくて、金までもらえるって話だ」
「……へ、ぇ?」
「いや、俺も詳しいことは知らねえけどな。そんでも、こんなところで働くよりは上等だろうよ。宗主国様の肝いりだ」
「それは……」
心がぐらつくのを、少年は感じた。
背が高い以外特徴はない、と自覚していたが――もし本当に、そんな才能があるならば。
母を医者に診せることも可能なのではないか。
兄弟を腹いっぱい食べさせたり、学校にやったり。
父も楽ができるだろう。
髭面の監督は、少年に笑った。
「……俺も詳しいことはよう知らんがな。どれ、ちょっと聞いてきておいてやろう」
/
――順調だった。
少年は、試験を乗り越え、香港大学に入学していた。
新設の、魔法学科――その第一期生だ。
「おい、■■■! 貴様、"奨学金"を研究費用でなく家族への仕送りに充てたそうだなッ!」
「は、はい! 教授ッ! 申し訳ッ、」
「なぜそれをもっと早く言わんッ! 家庭の心配があって、満足に学究できるかッ! 扶養手当を新設した! 貴様はその第一号だ! よかったな栄えある第一期生だぞッ! 安心しろ、勝手な判断をした調査員は俺が物理的に絞っておいたッ!」
「はい!? 教授!?」
母を医者に診せることもできた。
「おぉい、■■■!」
「なんだ、どうしたのさ」
「あァ、■■■、ひょろーっと背ェ高くて、弱そうじゃん。だからよ、ここらで一丁、身体鍛えてみねえか?」
「……ええ……?」
「強そうだ、って外見だけで得することって結構多いんだぜ?」
友もできた。
『やあ、映像で失礼するよ。だいたい地球の裏側だから流石にラグが気になるかな。みんな大嫌い宗主国の夢見守護、マーリンさんだよー』
「一応コレが世界最高とされる魔術師だが参考にしないようにしましょうねー」
「「「「はーい」」」」
『うーん仲良きことは美しきカナ』
初めての学びは楽しいものだった。
世の中にはこんなにも色があったのかと驚き、数の神秘に触れ、言葉の豊かさに涙し、そして、
「……でき、ました」
「ああ。確認できている。……明らかに、既存の魔力現象とは異なる。貴様の属性でこれを起こす例は、認められていない。……馬鹿者。ここから先こそが本番だぞ。……泣くな」
よくやった、と褒められた。
すごいやつだと認められた。
そこには喜びがあった。
誰を傷つけることもなく、誰かを悲しませることもない、幸せがあったのだ。
/
渡し船に乗って海を渡り、家路を急ぐ。
ここ最近は大学近くで部屋を借りていたため、帰宅は久々となる。
母の容体は未だ予断を許さないが、快方には向かっている――これまでの無理がたたったのだ。だが、もう無理はしなくていい生活になった。
弟妹たちは今頃腹一杯食べているはずだ。
自分だけが背が伸びる血を継いでいたわけではないようで、一つ下の弟など、体つきもがっちりとして、屋根の修繕などもしているらしい。
……新しく家を建てて、そこで楽をさせたい。栄養がつくものを食べさせて、そうだ、身体が良くなったら、旅行に連れて行くのもいいな。
そんなふうに、少年は考えていた。
今やっている研究で成果を出せれば、報奨金が出るはずだ。
宗主国基準のその額は、香港に家を持つには十分な額だった。
ああ、と少年は息を吐く。
この幸せがこれからもずっと続くと信じて、夕焼けの空を見上げ、
「え――あ――」
……空が落ちてくる。
そう錯覚した。
「なん……だ、あれは……」
見上げたそれは、九首、九爪、九尾を持っていた。
雲に等しい大きさを持っていた。
「あ――や、やめ、やめろ……」
落ちる場所を、直感する。
九龍。
彼の家がある地。
家族の住まう地。
「やめろぉおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおおッッッ!!!」
もう、40年も昔の話。
――平凡な少年が、狂っていく夢を見た。
/
――もう名前を失ってしまった男の半生を思い出しながら、おい、と言う。
「おいおいおいおい……!」
繰り返し、その度に腹の底から危機感が湧き上がって来ていた。
"九龍背城"――否、"ここのつ"。
それが、九本の首を天に向けて、吼えていた。
「ちょっと、これはやべーって……!!!」
"ここのつ"が動くというのは滅多にない。
一度事故で頭を一つ潰された時があったそうなのだが、その時ですら次の日には頭が復活していたと言うし、何かに危機を感じて動くと言うことがない。
彼はここで隠居を決め込んでいる。
いつも眠っているし、起きてもそのまま二度寝する。尻尾がたまに動くことはあれど、それは寝相みたいなものである。
だが、ジェームズさんから聞いたことがある。
香港警察は、いつだって、彼が暴れ出してもいいように準備を整えている、と――香港全住人の避難の手はずを、整えていると。
ジェームズさんの竜化に、仮に時間制限がなかったとしても、彼ほど警戒されることはないだろう。
全長2キロメートル。香港どころか世界中を見回してもこれより大きな生物はほとんどいない。
そして高位の竜であり、同時、香港を滅ぼして余りある毒を持っている。
暴れれば、香港は汚染され腐り落ちる。
腐り落ちた香港は、海を汚す。
汚された海流は、付近の大地をも殺める。
殺められた大地に、人は住めない。
そうでなくとも、汚染された海を進める船はない。
結果として、ユーラシア大陸の東は、人の姿の絶えた地になるだろう。
「ひはっ、ははは!!! ハハハハハハハハハ!!!」
咆哮に混じって、ひっくり返った声が聞こえた。
おそらく、俺の中に奴の残滓が残っているためだろう。
胸の中から響いてくるかのようだ。
クソが、と胸を抑える。
正直、同情はする。這う男は、不幸な男だ。
家族を、故郷を押し潰されてから40年間、"ここのつ"を――そして、香港そのものを滅ぼすために生きていた。
「いいぞッ、いいぞっいいぞッ!!! 動け、動けよ偉大なるハイドラ!!! "ここのつ"! これにて終いだ香港! おおお、香港滅ぶべしッッッ!!!」
九つの頭の一つ。
その上に立った男が、狂い笑っている。
あの男は、高みへ至っている。
もはやあの男を殺したとしても止まらない。
大ハイドラを止められない。
クソが、と心中つぶやき、突如寄って来た影に、空を見上げて、
「――げ」
と踵を返しダッシュする。
背後でずどぉんと音がした。
横腹から剥がれた鱗が降って来たためだ。
花火じみた振動が途切れることなく続いている。
「ちょっと規模違いすぎんだろッ、"香港大砲"の出番だろうがどーすんだコレェええ!!!」
香港本島横腹についてるから、島上の大ハイドラは撃てないが!
振り返り、天を、九つの首を見上げる。
苛立ちを込めて、力一杯に叫ぶ。
「ク・ソ・がああああ――――!!!」
叫ぶ横を、マウスが駆けていた。
久々に見る姿――前に見たのは、たしか、アランとやりあった後だったか。
飛びくる鱗の破片を叩き落としながら、並走する。
「銀、さん……!」
「とりあえず逃げるぞクソァ!」
大ハイドラの首を駆け上る――あるいは、空から接近する有翼系の警官が見えた。
だが、うねる首に振り落とされ、音圧で吹き飛ばされている。
更には、首の根元に警官以外の姿も見えた。
40年間準備してきた男だ。
あの隠蔽の腕前でも、病院などで検査すれば流石に異常が露呈する。
病院になど行けない層――貧困である、またはそもそも戸籍がない層と言えば、"九龍背城"の住人たちだ。
ゲキ一家、"無尽"、それに俺――この数日で手に入れた手駒だけじゃなく、当然のように、雑兵と言うべき者たちが、警官隊を邪魔していた。
もう一度大ハイドラの背に乗れるかどうか。
算段をつけていると、再度の叫びが来た。
「銀さんっ!」
「なんだっ!」
見れば、マウスと視線が合う。
マウスは、決意を露わにしていた。
剣を握り、髪先から火の粉を漏らしながら、俺を見ている。
/
「私を、あそこまで打ち上げられる!?」
首を指差しながら、私は叫ぶ。
「ダメだ!」
即答は、即ちできるってこと。
流石の銀さんだった。
だから私は言う。
「任せて!」
「ダメだ!」
「なんで!」
詰問に、銀さんが、足を止める――地に足跡を残して、停止する。
距離をいくらか離した。もう鱗は降ってこない。
だからと言って、時間があるわけじゃない。
ぐ、と目に力を込めて、だいぶ高いところにある顔を見上げた。
怖い顔をしていた。
兄とも慕う男の人。
荒っぽくて乱暴で。
服の趣味が悪い人。
でも、いつだって、なんとかしてしまう人。
だから、私だって背伸びをしたくなる。私だってやれるんだ、と。
銀精様のように、引っ張っていくことはできないけれど、一緒に走っていくことくらいはできるんだ、って。
/
強い視線が、俺を見上げている。
前にもこんなことがあったな――と思う。
あれは確か、クソピエロの時か。
マウスと初めて出会った時の話だから、もう半年近く前になる。
「……アレは、概念域に到達した術師だ。元の属性は、生命系"同化"」
思い返しながら、言う。
「主に手で触れたものを自分と等しくする術の使い手――だが、隠し球がいくつあるか分からん。俺も完全に同化したわけじゃない。手の内を全部知ったわけじゃないからな」
人は属性を生まれ持つ。
例えば俺の場合は"光"。
光を発したり、近しい属性である熱を操る魔術に適性がある。
ある程度の腕前があれば、別属性の魔術を使うことはできる。
だが、例えば『他者の光を奪う』とか、『全身を光にする』だとかの領域には、一生到達することはないだろう。
そこに至るためには、研鑽が、才能が、偶然が、覚悟が、そして運命が必要だ。
――概念術師。
属性に純化した魔法使いを、そう呼ぶ。
「それと、やりあおうってか」
「うん。……はい」
以前、クソピエロと戦った。
"虚実"の概念術師。
あの時は、正直、師匠が一緒じゃなかったら死んでいた。
アレと同域の使い手だ。
「たまには、銀さんからお株を奪ったっていいでしょ?」
マウスは、俺を挑発するような笑みを浮かべていた。
カッ、と笑う。
――その意気やよし。
「いいぜ、送ってやる。たまには、譲ってやらぁ」
大ハイドラに向き直り、"銀杖"を背負うように持つ。
首を鳴らして気合いを抜いて、"銀杖"を可能な限り軽くする。
全身ボキボキ折られた後だし、右腕も《彗星》のせいで力がちょっと入らない。
だが、行けるだろう。
「ふッ」
軽く駆け出す。
"銀杖"が重くなっていく。
それは、俺が気合いを入れているからではない――伸ばしているからだ。
マウスの足元に、"銀杖"の端は残ったままだ。
「乗れっ!」
叫べば、感触が手に伝わってくる。
両手で、肩口に乗った"銀杖"を握る。
足を止める。
速度を力に変える。
"銀杖"を背負うように、持ち上げる。
全力で全身を強化し、身を折っていく。
「ぬ……う、うぅううおおおおおおおおおおッッッ!!!」
テコの原理だ。
力点は俺の両腕。支点は俺の肩と背中。作用点は無論のこと、マウスだ。
先端速度は音速を超える。
その背に、声を投げる。
届かないと知りながら、叫び、伝える。
「――任せたッ!!!」
マウスが、――ケイが、燃え上がりながら、まっすぐに飛んでいく。
/
大気を刃で切り開く。
うねる首を一瞬で抜けて、その高度に到達する。
「《焔翼》!」
焔の翼で、起動と姿勢を制御して突っ込む。
直立した男は、枯れ木のような身体をしている。
「おっと!?」
男は、それを回避した。
いや、違う――竜田様や、銀精様たちが行うような回避。
攻撃を行った時には、避けられていた。
大ハイドラの頭の上、額鱗の上に着地し、炎を噴いて減速する。
「ふぅっ……!」
眼の端からこぼれた血を拭って立ち上がり、構え直す。
急激な加速で、毛細血管や鼓膜にダメージが入っている。
銀兄さんは容赦がない―― 一息を入れたのは、畳み掛けるよりも私を万全にしたほうがいいって判断だ。
「危ないな、お嬢ちゃん」
正面から見る男は、老人だった。
塵埃に汚れ、手足は細く、シワがあり、皮膚が垂れ下がっている。
目は黄色く濁って、長年地面にこすり続けたためか、頬や額の皮が分厚くなっていた。
ふらふらとしているのは、立ち上がるのが久々だから、なんだろう。
「……なんで、こんなことをする」
「老人の言うことは聞いていただきたいな。危ないだろう? 久々に立って、心臓が驚いている」
ははは、と男は笑った。
朗らかな笑み、と言っていいだろう。
固くなった皮で歪んだそれは、暗いものを含んでいなかった。
「あいにく、送ってあげることはできないが、君を傷つけないことを約束する。剣など捨てて、香港を出て、普通の幸せを掴むことをおすすめする」
「…………」
男は、普通の老人のような事を言う。
勿論、香港を捨てて、なんてのは、私は頷けないけれど、でも、固くなった皮膚が精一杯に笑みを浮かべているのは見えた。
「今は、とても気分がいい――清々しい。考えてみれば、君たちのような若い世代には、罪はないのだ。悪は、この偉大なるハイドラと、香港という呪われた土地だけなのだ。……すまなかった」
私達の乗る首は動かない。だけど、残る八首四腕三十六爪九尾は暴れまわり、警官や"九龍背城"の猛者たちを蹴散らしている。
――"同化"。
銀兄さんの言ったその属性――そして概念術師という情報を得て、納得がいった。
自己と"同化"させることで、洗脳をした。
さっきは精神の分身を送り込むことで洗脳していると推測したけれど、もう一段上の現象を起こしていた。
魔力が見づらかったのは、多分空気と"同化"していたからだ。
地面に潜ったのは、地面と"同化"したから。
無尽さんを洗脳したのも、無尽さんでありながら同時にこの男であるためにうまく行ったことだ。
勿論、それを即座に行う卓越した技術があってこそだけれど。
「……私は。香港を捨てることはできません」
「そうかい。――名乗れよ。お嬢ちゃん。墓に刻む名を」
男の雰囲気が変わる。
悲しげな表情を一瞬だけ浮かべて、男は身を沈めていく。
「…………知らない」
ここでこの男を斬ると。
ここでこの男を終わらせると決めて、言う。
「私は、自分の本名を、知らない」
――マウスと言う名は、黄さんたちが仮名としてつけてくれた名。
紅・可欣――竜双子様が、私を弟子とするときに付けてくれた名。
どちらも大切だけど、
どちらも正名ではない。
本来あるはずの名を、私は知らない。
「名乗るならば、紅・可欣。――あるいは、マウス・姜」
そうか、と男は頷いた。
言葉を続けながら、男が膝をつく。
「心から、同情する。君も香港の犠牲者なのだな。……姜。姜、か。その名には、多少の縁もある」
手もついて、四つん這いになった。
「我は"地這虎"。――壁ではなく地を這う壁虎だ。体を表しているだろう? ――自分で考えたのだ。ははは、竜には到底及ばぬ蜥蜴であることだしな」
そして、と男は頬を鱗に添える。
「自分で考える力すらも奪われた君を、最後の犠牲者にする……!」
ぴったりと。
鱗に張り付いた男が、迫ってくる。
「犠牲者、なんかじゃないし――」
呟けば、火の粉が散った。
体重を前に送る。
……恐らく、大ハイドラも洗脳されている。
"地這虎"が張っていたのは、手を地面につけるためだ。
ずっと、ずっと――皮が硬質になっても、関節が変形しても、それでも這っていたのは、手を当て続けて、全長2キロメートルの大ハイドラを洗脳するためだ。
少しずつ少しずつ"同化"させて、今やこの大ハイドラは、すなわち"地這虎"なんだろう。
"地這虎"を倒すだけでは、この大ハイドラは止まらない。
でも、"地這虎"が在る限り、"ここのつ"を止められない。
だから、行く。
「――追いつくって、決めたんだ。追い越されたから――彼に。銀兄さんに、」
彼の名を、唇に乗せる。
そうするだけで、無限の勇気が胸を満たした。
「だから――ここで、斬る……!」
「はははッ! やってみるがいい――お嬢ちゃんッ!!!」
戦闘を、開始する。