エロ率分析 (α)

〜分析結果サンプル〜


 Hong-Kong!!!

 流血落涙なんのため!

 生贄犠牲供犠を捧げぬ天空街都!

 今や十二国志の第十三国! どこの身代わりにもなりはせぬ!

 Hong-Kong!!!




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 奉仕、という言葉の定義を思い出す。

 奉げて仕える――(特に目上の)誰かのために働くって意味の言葉だよな、と頷く。

 どの口が言っているのか、となるが、ともあれ、師匠は俺に跨っているのであった。

 師匠は、『まずはどうしてくれようかのう』なんて顔で、身を倒してくる。


「ん、ふ、ふ……❤」


 倒れこむと同時に座っていた脚が伸びて、俺の脚に絡んでくる。

 お互いほぼ全裸だ。

 俺がパンツをはいているだけで、師匠は裸身を露わにしている。

 体温が高いように感じるのは、俺の方の身が冷えているからだろう(血を出しすぎた)。

 唇が俺の鎖骨に触れる。

 右足が師匠の脚に挟まれる。柔らかく、熱く、濡れた肉が腿に触れた。

 これでせめてブラを初めてつける女の子、くらいに乳があれば胸に感触が来ていたのだろうが、触れているのは乳首くらいだ。


「んっ」


 ちう、と吸われる。

 位置を変えつつもやや強く。

 鎖骨を軽くなぞられ、続いて肩の筋肉に。

 軽く歯が当たる。

 甘噛みされ、肌を吸われる。

 手指が触れるか触れないか程度のフェザータッチが、脇腹を上ってくる。

 むぬ、と思わず声が出る。

 胸筋を這った手指は、俺の乳首に触れていた。

 思わず漏らした声に、師匠が笑った気配がする。

 唇は、肩から首筋に移っている。

 舌が這った場所が、気化熱で冷える。

 寒気に近い感覚が走っている。


「うごくで、ないぞぅ……❤」


 耳元で声がした。

 片足――太腿が、俺の股間を圧迫する。


「潰してしまうことも……万一には、あるゆえなぁ……❤」

「っ、」


 ぐ、と重みがかかった。

 同時に、師匠の手が俺の髪に入った。

 頭を傾けられ、耳を舐められる。

 脚は上下にゆっくりと動き、こすってくる。

 視界に、長耳が入っている。

 く、と歯を食いしばる。


「このっ……」


 反撃しようとした瞬間、身を押さえつけられた。

 師匠の体重なぞ軽いものだってのに、押しのけることができない。体術を無駄に活かしてきていやがる。


「これ、奉仕してやると言ったろう……おぬしは寝転がって、サオをおったてておればよいわ……❤」

「っふ、ざ、」


 股間にかかる力が強まる。

 う、と身が凍る。

 師匠が耳元で笑った。

 笑いを含んだ声で、囁かれる。


「本当に潰されたいか……? よいぞ、おぬしならば再生もできよう……ここだけは、男である限り鍛えられぬからなぁ……痛みに、慣れておきたいかぁ……?」


 心臓や脳のように、すぐさま命に直結する器官ではないが、それでも再生を試みることすら願い下げだ。

 痛みによるショック死まであり得る、男最大の急所である。

 考えてみれば、軽く打たれたことはあっても、潰されたことはない。

 軽く打たれただけでも悶絶する箇所だというのに、潰されたときの痛みは文字通り想像を絶するだろう。


「そう……大人しくしておればよい……❤」


 頬にキスをされ、頭を撫でられる。

 まるで子供扱いだ。

 乳首をいじっていた手指が離れて、脇腹、腰、と落ちる。

 行きつく先はパンツの中だ。

 ゴムの下に手が入り、幹を握ってくる。


「う……っ」


 それだけでぞわりとした。

 以前のように一方的に搾り取られることだけは回避しなければならない、と気合いを入れる。


「く、ふふ……腰を、跳ねさせおって……❤ おぬし、まさか、弱点を知っておるのは己だけと、思っておったのか……?」


 例えば、と、師匠がパンツの中で手を動かす。

 手の甲でパンツの布地を押し上げながら、指先で裏筋をなぞられる。

 ぞわり、ざわ、と、感覚が昇ってくる。

 指はそのまま半ばパンツから出る――そこにあるのは亀頭だ。

 カリに指が絡む。

 手のひらが鈴口を撫でてくる。

 くぁ、と声が漏れて、思わず腰が跳ねた。

 腿に玉が触れる。


「っ……!」

「これ、弄りにくいじゃろうが……我慢してみせよっ……❤」


 言いながら、師匠が熱い吐息をかけてくる。

 つぶった目の上、瞼に唇が落ちた。

 にちゃ、と音がするのは、カウパーが出ているからだろうか。


「っく……!」


 師匠の手指が滑る。

 パンツが半ばまでずらされ、腹と手でちんぽが挟まれる。

 裏筋を手のひらが覆う、と言う状況は、オナニーではほとんどありえない。

 師匠の手は全面が柔らかい――あってしかるべきタコなどがない。

 腰が浮きそうになり、再度腿で押さえつけられた。

 腿が巧妙に金玉を押す――絞り出すようにだ。


「ほれ……我慢するでない。いつもわしの内に出すように……射精してしまえばよいではないか」


 額、頬の傷跡を舌が這う。

 思わずシーツを握りしめる。


「いや、いつものようにではないか……わしの精力にすらならぬ、完全な無駄撃ちよなぁ……❤」


 さらり、とカリ首を手指が一周した――同時、ういやつめ、と、師匠が囁いてくる。


「っ……!」


 頬が熱くなる――そこで決壊した。


「ぐっ……!」


 下唇を噛みながら、射精する。

 師匠の手のひらに向けて、脈打ち、勢いよく精液を吐きだす。

 上向いた手のひらにヒットした精液は、師匠の手首まで汚し、俺のへそあたりに落ちる。

 射精途中だというのに、師匠は腿で金玉を圧迫し、加えて手指がカリをくすぐってきた。

 ぅあ、と、口が開いた。

 追い打ちを食らい、精液がさらに漏れだした。

 むしろもはや、溢れだすと言っていいだろう――理性までもが零れていくかのようだ。

 終わるはずだった脈動は強制的に続行。

 瞼を閉じているはずなのに、目の前が白くなる。

 ……師匠の身が離れる。

 目を開けば、師匠の身は俺の汗で濡れていた。

 俺の腰に跨るような姿勢に戻っている。

 その手はべっとりと精液にまみれている。

 同じ白色ではあるが、その清濁の差を言い表す言葉を、俺は持たない。

 師匠はにちゃ、ねちゃ、と指の間でそれを弄ぶ。


「昨日死にかけたおかげか? 特に濃ゆいのう……❤」


 すん、と師匠はにおいを嗅いで、手首にこぼれた――否、まとわりついた精液を、舌でなめとって見せる。


「おお、実に濃厚な精力よなぁ……内に出されては、エルフでも妊娠しかねんなぁ……❤」


 ずちゅる、と、恐らくわざと音を立てているのだろうが、汚い音を立てて啜る。

 手のひらを上に向けて、手首にこぼれた分をおよそ舐めとる。

 俺の視線には笑みが帰ってくる――先ほど血の紅を引いた唇は、白濁液で汚れている。

 ぺろり、と舌が唇をひと撫でし、それが消える――喉が動いている。

 くふ、と師匠は笑い、手をへそ下まで下げた。

 何をするつもりだ、と思った瞬間、笑みが深くなる。

 手のひらが返る。

 師匠は己の腹に、俺の精液をぶちまけ、その上に塗りこんで見せた。

 なだらかな腹に手のひらを当て、回すように動かす。

 へその中に指を入れ、くりくりとかき回す。

 楽しそうに笑いながら、熱っぽい息を吐きながら。

 肌になじませるかのように。においをつけるかのように、念入りに。

 思わず、息を飲んだ。


「……間抜けた顔をしおって、馬鹿弟子め」


 満足したのか、師匠は改めて手を舐める。

 師匠の腰は浮いている。

 無毛のそこから、愛液が溢れて、俺の腹の上で水たまりを作っていた。


「っしょ、と」


 師匠が尻で後ろに下がる。

 俺の腿に、なめくじが這ったような、愛液の跡が残った。

 師匠は俺のへそ辺りで止まった。

 片足に抱き着くような位置だ。


「そういえば、馬鹿弟子よ」

「なんですか」

「……例えば、全裸でわしが現れたとき、上と下、どちらに目が行く?」

「尻ですね」

「田や圏であれば」

「つい見ちまう、ってことなら、上かなと……」

「白であれば」

「……上ですかね、たぶん」

「ではおケイ、ねずみであれば」

「……空でしょうか」

「そうか、そうか」


 師匠がこわい笑顔になった。

 まさかとは思うが――


「師匠。すげぇ今更なんですが、一ついいですか」

「言うてみよ」

「俺巨乳派の人間なんです」

「今確信したわ、このたわけが!」

「遅ェよ! なんで肩甲骨の方が盛り上がってるような乳でそんな自信持ってんだよ! 永遠に膨らみかけ以下だろうが!」


 ぬううううう、と、師匠は歯噛みした。

 エルフは長命である。その寿命は5000年とも6000年とも言われるほどに長い(まあ、何事もなければ、という注釈はつくのだが)。

 だがその成長――性徴は、比較的若い時期に起こるらしい。

 その人生のスケールに比して、幼年期と言うものが短いのだ。

 つまるところ。900年も生きれば、とっくに二次性徴は終わっており、体格はおよそ確定している、ということだ。

 この先何千年生きるかは知らないが(純エルフやハイエルフではないらしいし)、師匠は永遠にサラシもいらないクソド貧乳のままで生きていかなければならないということだ。

 たしかに空恐ろしいまでの美貌であるし、その華奢さには目を奪われる。

 その振る舞いに興奮させられて、乳を揉んだ……揉めてないか。触ったこともある。

 微妙すぎるふくらみを発見し感動したこともあったか。

 師匠の身体の曲線は掛け値なしに美しい。

 だが、乳そのものに欲情したりはしない。

 はっきり言おう――なぜなら俺は巨乳派だからだ。

 師匠が巨乳だったら、俺は多分、師匠のことを『クソババァ』とか呼んでない。

 ――とか思っていると、師匠が俺の腿をつねっていてててててて皮破れてる皮破れてる。


「フン。……つまりわしの乳には、興奮せんと。そう言うのじゃな」

「……多少語弊がある気がしますが。師匠には興奮します」

「ぬ゛っ、……ン、ん。そうかそうか。うむ」


 師匠は一瞬噴き出しかけて、取り繕いつつ頷いた。


「まあ、じゃがこの乳房におぬしは不満があると言うのじゃな?」

乳房? どこです? 俺には揺らぎない胸しか見えませ――グアア最後まで言わせろ何のツボだそこぉおおおおお!!!」

「ならばよかろう、わしにも考えがあるっ」


 師匠がツボから手を離し、身を落とす。

 ちんぽを胸と俺の腹で挟む形だ。

 更に師匠は、両手を使って、わきから肉を持ってくる。全然集まってないのが哀愁を誘うが。


「このようにされても、わしの乳に魅力がないというのならば、射精などしないであろ……?」

「ぐ、ぐ……それは、問題の置き換えじゃないですかねっ……」

「生意気を言いおるわっ……!」


 ずりゅ、と、師匠が滑る。

 先ほどの精液が残っているのもある。

 ぬめりは十分だ――その上、手よりも圧迫感がある。

 胸骨の凹凸が裏筋に刺激を与えてくる。

 辛うじて感じる、ぷにっ、と柔らかい感覚がある。乳首が腹をこすっていた。

 体温の高さが分かる。

 師匠も軽く汗をかいて、樹のような、独特の香気が漂ってくる。


「む……!」


 刺激は刺激である。

 一度射精したというのに、がちがちに勃起したまま――むしろより血が集まっている。

 師匠が顔をあげ、どうじゃ、という顔をしていた。


「っ……!」


 その顔にえらく腹が立って、絶対射精なんぞしてやるものか、と意を固める。

 師匠を、ぐ、と睨んで、刺激を予測する。

 つまるところ床オナだ――多少やわらかく体温があるが、刺激としてはその系統。平らだしな。

 ふ、ふ、と師匠は息を吐きつつ、リズミカルに動いている。

 気持ちよさがあるのは認める。師匠が必死なのも分かる。

 だが、俺の射精までは、遠い。


「ごっ、強情なやつめっ……」


 師匠が、徐々にどうじゃ顔を曇らせていく。

 流石の身体運用ではある。同じことをしろって言われても、俺には難しいだろう。

 だが俺にも師匠を散々に泣かせてきたプライドというモノが――いや、これはプライドじゃないか。ともかく。易々と射精させられるのは、だいぶ悔しい(悔しかった)。

 丹田に力を回し、堪えを強める。

 以前のように搾り取られないよう、搾り取られてもいいように気合を入れておく。

 パイズリならぬナイズリはともかく、手コキはまずかったし――


「あむっ」


 ――フェラもだいぶまずい。

 鈴口に多少キスをされる程度であるが、ナイズリも苦しい姿勢ながら続行中。

 時たま来る刺激――頭と髪で股間が見えないのも、不意打ちの欲情を煽る。


「胸の魅力をっ、教えてくれるんじゃなかったのか、クソがっ……!」


 声が上ずった。

 師匠は、ふ、と笑いの吐息を亀頭にかけてくる。

 それで限界が来た。

 師匠がぱっと顔を上げる。


「おやぁ? 出てしまいそうじゃのう? 亀頭が張り詰めてきおったなぁ~? 我慢の限界か? 認めるかぁ~?」

「くっ、」


 ずりゅ、と、最後のひと押し、ひと擦りをされ、縛りが解ける――


「クソババァっ…………!」


 押しつぶされた尿道を通って、精液が噴出する。

 師匠の顎下や、やや下に外れて俺のみぞおちや胸に。またも師匠は手でそれを受け止め、ずちゅ、と啜り始めた。

 今度は、ストローのように、ちんぽを掴んで鈴口に口づけて、吸われもする。

 ぐぅ、と思わず声が出た。

 敏感になったそこを、優しく吸われている。


「ん……❤」


 ちゅる、と麺でもすするように吸い出して、師匠は身を起こす。

 今度は首下に精液を塗り広げている。

 精液が、白磁のような肌を汚している。

 ――悔しいことに、いっぱい出た。


「と、勿体ない、勿体ない……❤」


 俺の身に零れた分も指ですくって、ちゅる、ちゅ、と音を立てて舐めとっていく。

 大量に出したと言うのに、それだけで反応する浅ましさ。

 師匠は特段、俺を誘うつもりはないのかもしれない。俺を興奮させるつもりはないのかもしれない。

 ただそうしたいからそうしているだけなのかもしれない。

 だが、効いてしまった。

 師匠は、首を傾げ、ふむ、と言って、にまりと笑った。


「さあて、さて、さて……」


 師匠がくるりと回って、俺に尻を向けてくる。

 膝下が襲いかかって来て、腕を抑え込まれた。

 そして、尻が迫ってくる。

 ――わあ、視界が全部尻だ。

 そんな感慨を抱く暇こそあれど、抵抗の余地なく、俺の顔面は師匠の尻に埋まった。


「ぐぇっ」

「ぐぇっとはなんじゃ軟弱失礼な」


 べしっ、と腹を叩かれた。

 師匠の脚が、俺の腕を抑え込んでいる。

 当然と言うべきか肩も上げられない。

 腰の位置も、みぞおちあたりに置かれた指先で持ち上げられない(なぜこれで腰を上げられないのか意味が分からん)。

 師匠の尻に顔を包まれることしかできない状態だ。

 ――っていうか、息ができないんですが。


「おぬしにも、においをつけておかねばなぁ……❤」


 ぐちゅり、と、鼻先で音が鳴った。

 尻が動き、わずかに呼吸ができる余地が生まれる、が、すぐに塞がる。

 尻がデカすぎるのも考え物だなあハハハ。ちょっとシャレになってない。


「ンッ、ふ❤ んふっ❤」


 師匠は俺の顔でオナニーをしているようだった。

 甘い吐息が漏れ聞こえる。

 呼吸をしようと開いた口に、愛液が飛び込んでくる。

 柔らかな肉ひだが、硬くなったクリトリスが、俺の顔にこすれている。

 愛液を俺の顔に塗り込むような動きだ。

 顔をよじろうとしても、それを追うように尻が動く。武芸を無駄なことに使いやがって!


「くぅんっ❤」


 顎を上げると、師匠の腰が固まった。

 流石によくは分からないが、いいところにヒットしたらしい。

 その隙に首をひねり、ぶは、と呼吸する。

 顔面全域べとべとだ。

 鼻にも愛液が入ってて正直痛い。


「んぅ。逃げるでないわ」


 師匠の手が顎を掴む。

 みしり、と顎に力がかかる。

 首に筋が浮かぶほどに力を込めるも抵抗は失敗――俺の顔面は、再び尻に飲まれた。


「ひっほくふるわふほばばぁ……!」

「我慢せよ」

「へひるひゃぁ――!!!」

「わがままな、やつじゃのうっ」


 どっちがだ、と言おうとしたが、尻に邪魔された。

 腰の動きは、ぐりぐりと押し付けるようなそれだ。

 さっきは前後の動きだったので良かったが、今回はマジで呼吸の余地がない。

 クソが、と、口を動かす。

 舌を伸ばせば、そこには秘所があるのだ。


「んぃっ❤」


 ぴくっ、と師匠の腰が硬直した。

 今度は俺が啜る番だ――舌で口を探し当て、顎を上げてそこを啜る。


「ぅっ、う❤」


 わずかに腰が浮いた。

 手も使えれば勝てるが、いまだに抑え込みは続いている。

 いいハンデじゃねーか。クソが。


「ふほがっ!」

「んんぅっ❤」


 師匠は俺の胸に両手を置いている。

 浮く腰を、肩が引っこ抜けそうになりながらも追いかける。

 クリトリスを歯で捕らえれば、師匠の腰が止まった。


「ぅっ、か、噛むでないっ❤」


 ――腕を抑え込む足のロックが緩んだ。

 玄妙な体重移動が必要な技法ではあろう――辛うじて右腕を引き抜き、背中側から尻を抑え込む。


「し、しまった、ァ❤」


 尻の根元――背中の終端あたりに手を置き、身を折る師匠の秘所を舐めまわす。

 腰は硬直どころか跳ねるようだ。


「こ、のっ❤」


 胸についていた両手が折れた。

 折れてしまった、のではない。

 それが証拠に、師匠の身が伸び、その手はちんぽを握った。


「んっ、……ン!」


 引き寄せるように、師匠は鈴口を口元に。

 シックスナインの形になる。


「っく……!」

「んっ……!」


 勝負の体をなしている。

 どちらが先にイかせるか、のような。

 当然俺の方が優位だ――師匠は苦し紛れにフェラをしているだけである。

 だが、熱が入っている。

 どんな無様な顔になっているか――腰を跳ねさせながら、跳ねようとさせながら、じゅぽ、じゅぶ、と、よだれの音をまき散らすように吸ってきている。

 それに、手を離せばおそらく師匠は逃げようとする。

 結局俺は口だけで責めることになっている。

 手コキも併用する師匠に対して、それはハンデだ。

 ぐ、と、早くも昇ってくる感触がある。

 絶頂の予感に震えてはいても、弱点を抉って来るのが師匠だ。

 くそ、と、抑えていた手を離す。

 腰が浮きかけるところを、やや無理なかたちながら、尻を叩く。


「んひぃいっ❤」


 師匠の背が跳ねる――が、手がちんぽから離れない。

 べしゃりと落ちながらも、塗り込んだ精液をぬめらせながら、手の動きは止まらない。

 髪をからめるように、頬擦りするようにしながら、師匠は時たま震える


「らひぇっ❤ らへぇっ❤」


 しかも――この声!

 耳を犯されるような、泣くような甘い声だ。

 舌がもつれるような心地。

 たまらず、もう一発ケツを張る。


「ひぁあああっ❤」


 師匠がとうとう、ぴしゅり、と潮を噴いた。

 だが、


「っ、う……!」


 俺の方も、それで限界だった。師匠がイっても、手を止めなかったためだ。

 突っ伏した師匠の耳横で、脈動し、打ち上げる。

 大半は師匠の背に。一部は首裏にびしゃり、べしゃ、と落ちていく。


「はぁっ、ああ、ぁあ……っ❤」


 師匠がかく、かく、と腰を揺らす。

 師匠の乳は全く持って論外の大きさだが、その腰回りは本当に神がかり的だ。

 眼前で浮き、不随意に上下する尻は、見ているだけで再装填されるものだ。

 満足げな吐息を吐く師匠の下から左腕を抜いて、師匠をひっくり返す。

 離れる時、ねちゃり、と音がして、むわ、と、俺の精液のにおいが立ち上ってきた。

 ちょっと萎えた。


「師匠……その」

「ん……❤」


 師匠はくてりと倒れたままで、ちいさく頷いた。


「《浄化》……」


 まずは俺に手を向け、そう唱える。

 体表を、浄化の力が撫でていく。メンソール系のボディソープでも使ったかのような感触が一瞬来て、体表の汚れが消えていく。

 それから、ちょっと惜しむように、首下、胸、腹と浄化していく――それから、口の中を。

 ぎゅっと目をつぶっているのは、おそらくはあの異常な爽快感に耐えるためだろう。

 師匠は、ゆっくりと目を開いた。

 やや涙目だが、その目には理性が戻っていた。

 ……なんと例えるべきか。

 映画を見て滂沱の涙をこぼしていたら、飲み物の氷が全部解けてほとんど水になっていたことに気づいてしまったとき、とかだろうか。

 ともあれ、ちょっと醒めてしまったような目であった。


「……これやるとすっきりしすぎていかんのう」

「……まあエロい気分はすっ飛ぶでしょうね」


 はーどっこいしょ、とババくさい掛け声で、師匠は起き上がる。


「普通に水ですすいだ方が良さそうじゃの……あるいはそれ用の浄化術でも編むか。手加減したつもりじゃったが、やはり粘膜にはキツすぎるのう、これは……」


 師匠は、鼻に来るのが特にまずいの、とため息を吐いて、ちょいちょい、と手招きしてきた。


「冷静ついでに、一つ、おぬしに言っておかねばならぬことを思い出した」

「……なんでしょ?」

「うむ」


 師匠は俺の手を取り、そして耳に触れさせた。

 ダブルでつまんだらひでえことになった耳であるが。


「……触っても、よい」


 師匠の手が、薄い耳たぶを揉ませて来る。

 見る間に真っ赤に染まっていく耳たぶを見ながら、続く師匠の言葉を聞く。


「ただし、今後も、急には触るでないぞ。……敏感での。触る前には、一言断るのじゃ」

「……はい」

「なんと言えばよいか……目玉を急に舐められるようなものじゃ。まあ目玉に感覚はないが……そのような心地ゆえな」

「目玉」

「目玉じゃ」

「……気を付けます」


 そりゃああんな怒るわ、と納得する。

 しかもさっきはダブルだったし。

 師匠の手が離れる。目を閉じ、くすぐったさを堪えるように眉根を軽く寄せながら、言う。


「気を付けよ。おぬし、まぐわっている間はどさくさ紛れによう触って来るが、……その、わし以外の耳に、勝手に触れてはならんぞ。舐めるなどもっての外じゃ」

「……はい」


 ならばよし、と、師匠が頷いた。

 それから、その手が尻の方に行った。


「……《浄化》」


 師匠が、ぶるっ、と震える。

 数秒して、手が見える位置に来る。


「……どうせ、今回も使うのであろ? まあ、今のうちに、の」

「……嫌ならやめますよ」


 久しぶりに言ったな、と思う。

 最初の頃も、嫌なら嫌って言えよ、と繰り返していたものだ。

 師匠の方も強情だったよな――流石に好奇心だけでああまで意固地にはなるまい。

 多分お互い、引っ込みがつかなくなったのが、最初だった。

 師匠も同じことを思い出したのか、笑みを浮かべた。

 前は無言だったように思う――黙認だったように思う。

 だが、師匠は口を開いた。


「……おぬしと交わるのは、な……嫌ではないし、……嫌いではない」


 長耳を揉む手に、師匠は頬を擦りつけてくる。

 その緩んだ表情に――穏やかな表情に。

 改めて、心臓が跳ねた。