エロ率分析 (α)

〜分析結果サンプル〜


 Hong-Kong!!!

 鏡に映る姿はなにか!

 すべてを睥睨併呑せしは天空街都!

 今や十二国志の第十三国! 己を知らば百戦百勝!

 Hong-Kong!!!




/




 ううう、と悔し気な表情を浮かべているであろう師匠を膝の上に乗せる。

 抱き合う形だ。

 腕を後ろ手に。足をM字に拘束され、目隠しもされた師匠は、唇を引き結んでいる。


「……後で覚えておれよ、貴様……」


 ……貴様呼ばわりとは。

 本気で怒ったとき特有の呼び方である。

 最初に師匠とヤった時も、貴様呼ばわりまではされなかったよな、と思い出す。


「その頬の、両側、にっ、ィ、傷を、つけて、く、ぅうう、ううう……っ」


 思い出しながら。

 指が沈み込むような尻を持って、持ち上げ、挿入した。

 股を開いていたがためもあろうが、それでは言い訳がきかないほどにぱっくりと開いた秘所は、容易に男根を受け入れる。

 肉ひだを亀頭がかき分けていく。

 酒のためか、普段より熱い肉が絡んでくる。細かなひだはカリの裏まで吸い付いてくるかのようだ。

 先端が子宮に到達し、そして押し上げていく。

 ぐ、と尻を押さえて奥まで飲ませれば、師匠の身が折れた。

 身をくの字に折って、堪えようとしているようだ。

 ふうふうと息を吐く師匠の背を左手で支え、落ち着くのを待つ。

 無論のことというか、右手は尻を揉んでいるのだが。いや、師匠の尻に触っておいて揉まないわけがない。

 何度触っても、師匠の性的魅力はこの尻にこそあると感じる。

 もし仮にこの尻分の性的魅力が全身に平均的にあったとしたら、師匠はまあ平凡な女性だったことだろう。

 いや、師匠である時点で綺麗だろうし、それはそれで惚れてた気がするが。


「師匠」

「な、んじゃ、この、たわけ……」


 声をかけてから、右の手指を尻穴に添える。

 流石の師匠尻でも、この体勢では尻穴も露出する。

 指先で、尻穴に挨拶するように押す。

 すると、ひぎゅっ、と師匠の身がすくんだ。

 縛られたままの身がうねる。


「かっ……勝手に、触るでないわ、馬鹿者っ」

「ああ。ところで、師匠、美人だよな」

「はっ……はぁあ!?」


 目隠しの下の師匠が真っ赤になったのが見えた。

 尻穴の周りをくすぐりながら、言葉をつづける。


「正直に言えば、最初に見たときは女神かって思ったんだよ。まあ天仙だから似たようなもんか?」

「おぬっ、おぬし、にゃっ、にゃにを言っておるっ……!?」

「師匠かわいいなってことだよ」

「ふっ、ふざけるでないわっ、こ、こんな、こんな時にっ……!」


 尻穴周りをなぞる指を、2本に増やす。

 桃尻がぷるりと震える。

 クリスマスの日に貫かれた穴が、一瞬期待するかのように緩み、しかしぎゅ、と締まったのが指先の感覚でわかる。


「あんまりオンナノコ褒めたことないんで、悪いなって感じなんだけどさ。正直、見慣れるまでは大変だったんだぜ。最初の三か月とかさ」


 最初は師匠も気を張っていたのか、ぐーたらを見せることは少なかったが。

 酒を飲むたびになんかこうだらしなくなっていって、半年ぐらいしたら下着が普通に部屋に落ちるようになった。

 今思えば誘われていたのだろうか、って感じだが。


「お、おう。そうかそうか、うむ」

「ぐーたらしてたらさ、ふつう変な顔になったりするじゃないか。師匠の場合、変な顔してても美人なんだよな」

「へ、変な顔なぞし、しとらんぞ?」

「ヨダレ垂らした寝顔」

「ほぐっ」


 あとヤりすぎて白目をむいて失神したときとか――これはまあ言わないでおくか。

 ともあれ、ダメージを負った隙に、指を挿入した。


「はぅっ、く❤ お、おぬ、し、これをっ……」


 中指一本だ。

 入ってしまえば、奥まで行く。


「狙ってましたけど、師匠が美人だってのは本気ですよ」


 竜双子様やケイ、張さんの愛人さんとか、黄さんのキョンシー秘書、マウスもかわいいはかわいかったか。

 美人美少女の知り合いも多少はいるが、俺にとっての一番は師匠だ。


「……その美人面が半分、見えぬわけじゃがっ……おぬしは、これで満足、じゃと?」

「断腸の思いですよ」


 目隠しを外せと言ってくる師匠の言葉をスルー。

 確かに師匠の表情が分かりにくい。

 挑発の視線も、許しを請う涙も見えないが、しかし。

 ぬるり、と尻穴の中の指をひねると、師匠の背が伸びた。


「はぅっ❤」


 左手で抑え込んで、ナイチチを押し付けさせる。

 尖った乳首を感じる。顎が上を向く。のけぞって、口を開き、あ、あ、と師匠が鳴く。

 首を落として、耳を噛み、さらに腰を揺する。


「う――っ、あ゛っ、ぃいっ……❤」


 ちんぽ挿入したままだ。

 師匠が震えるたびに、押し上げられた子宮を自分でこすることになっている。

 いつもより反応がいい。元から子宮は師匠の(数ある)弱点の一つだが、動いてもいないのにここまで愛液を垂れ流すことは滅多にない。

 聞いた話の通り、と言うべきか。


「目隠ししたら、他の感覚が鋭敏になるじゃあないですか」

「うっ、っく……❤ そ、そう、じゃがっ……❤」

「そうじゃが関係なかろう、ってか。自覚してねえのか」


 尻穴に指を入れたまま、他四指で重たい尻を軽く揺する。

 それだけで、師匠の身がのけぞった。


「うっうぅう❤ ンんん❤」


 下唇を噛んで声を我慢しようとしているが、殺し切れていない。

 明らかに甘い声を吐く。


「動かすで、ないわっ……❤」

「なんでだ?」


 ぐ、と師匠が言葉に詰まった。

 すごい眼で睨まれている気がするが見えないので問題はなかろう。


「おぬしは、毎度毎度、楽しいのかっ……❤」


 ばかもの、と言いながら、師匠は肩口を鼻先で探り当てて、噛んでくる。

 甘噛みだ。

 いて、いてて、とふざけながら、腰を揺する。


「んぅ、ン❤」


 噛んだままの口端からうめきが漏れる。

 両手に力を込めると、師匠の身が柔らかくなる――脱力した。

 師匠の尻と、俺の腰を動かし、奥をこね回す。

 亀頭鈴口子宮をこするように、奥を広げるように。


「はっ、ぐ❤ うぅう、うぅ❤」


 痙攣じみて全身に力がはいり、緩む――歯が肌に食い込んでくる。

 常人に鉄パイプで殴られても平気だが、師匠の歯は肌に食い込んでくる。

 こんな時だってのに、強度の違いを思い知らされる。


「こら、痛いだろ、師匠。いい子だからあんま噛むなって」


 背に回した手を後頭部に。撫でるように抱きすくめながら、子宮口を撫でる。


「うぐっ、うぅうう……っ❤」


 ……わりとマジで痛い。噛みちぎられそうだ。明らかにムキになっておられる。

 この、と、体重移動――それでちょっと肌が裂けた感覚がしたが、寝台を僅かに弛めて、尻を少しだけ持ち上げ、突き上げる。

 奥への寸勁だ。言っててちょっと自分がバカではないかと思ったが、


「うぁっ❤」


 効果は抜群。師匠がのけぞり、歯が肌から離れる。

 そのまま、尻を持ち上げ落とす、持ち上げ落とす。

 ガンガン突くわけでもなく、揺さぶってやる。


「んぅっ❤ おぅっ、はっ❤ あ゛っ❤ くっ❤ うっ❤」


 噛まれたお返しに、と耳を噛めば、ひときわ高い声が上がる。

 きゅうきゅうと締め上げられ、絡められ、快楽が背筋を登ってくる。


「やっ、あっ❤ ば、かっ❤ みみ、っい❤ みみはっ❤」


 耳孔に舌を潜入させると、背筋が震え、尻肉までその震えが伝わってくる。

 唇は酸素を求めるように開いているようだ。

 熱い吐息が俺の耳をくすぐってくる。

 不覚にも、それがカウンターとなった。


「っ……!」


 強く抱くと、師匠の方も分かったのか、身に力を入れる。


「うぅっ、ンっ、く、くるっ、かッ❤」


 答えず、尻肉を掴むように押し付け、解放する。

 奥の奥をこね回して、劣情を叩きつけるように射精する。

 奥を満たし、精液が溢れかえる。

 視界が瞬くかのようだ――師匠を虐める間俺も自分で自分を虐めていたようなものだ。

 我慢はやはり体に毒だななどと、益体もない実感が、言語にならず来る。


「ぅんンンン❤ んっく、ぅうううう❤」


 師匠が高い声を上げる。

 縛られたままの手足に力を込めている。

 横目で、足指が丸まっているのが見えた。

 みち、ぴち、と、縄が千切れる音がする。

 おとがいをあげて、震えながら射精を受け止めている。


「ッく、はっ……」


 昨日。戦ったせいか、それで気を回しまくったせいか、精液が過剰に生産されている感触がある。

 萎える気配は勿論のことない。

 むしろ、一度射精してしまってタガが外れていた。

 はふ、はふと息を吐く師匠の尻穴から指を抜き(お゛ふっ、と呼吸が濁った)、片尻に手をかける。


「んゃ……?」


 師匠が、とろりと唇から唾液を垂らしていた。

 半開きの口を見ながら、左手も尻を掴む。

 元々手に収まる大きさの部位ではないが、それでもなお、手に余る、と感じさせられる大きさの尻だ。

 そこを両手で持ちながら、立ち上がった。


「ひっぐっ❤」


 背筋で持ち上げるように、釣るように。

 体重をやや後ろに預けて、尻を上下させる。


「ぅぁっ、ああっ、やぁっ❤ ば、かっ❤ あぁあああ❤ はげっ、し❤」


 耳元で心地よい声が聞こえる。

 肘内で左右に落ちないように支えながら、ガンガン腰を振る。

 反り返った肉棒でひたすらに。

 ひだの一枚一枚、細胞の一つ一つを、乱暴にこそぎ落とすように。

 軽い身の師匠を振り回す。


「――あ゛っ! うぁあっあっア❤ あぁっ❤ ふり、まわっ❤」


 下から突き上げる形になっている。

 正常位挿入角度は大差ない。

 だが、重力に従ってか、子宮が落ちてきている、降りてきている。

 それを下から突き上げる。

 騎乗位で下から突き上げたこともある。

 だが今、師匠は完全に緊縛されており、俺に使われている。

 ぎちぎちと締め付けられる。

 師匠の長い銀髪が暴れている。

 前髪から汗が零れている。


「師、匠ッ」


 突くたびに、1回目の精液が零れ落ちてきている。

 カリでかき出している。

 奥を押しつぶすたびに噴出する。

 俺も師匠も、呼吸が怪しい。

 ふ、は、とインスタントに、辛うじて呼吸を整え、叫ぶように言う。


「イイ、ぞっ、もっと、イけッ!」


 目隠しが湿っているのが見えた。

 汗か、涙か。

 泣き叫ぶように、師匠が鳴き狂う。

 いやいやと、おろしてと。

 童女のように泣いている。

 声を我慢する理性が残っているか。

 二度目の射精感は、すぐに来る。

 一度目のそれから、ほとんど間を開けていない。

 快楽のゲージが下がらないままに、激しく師匠を使ったのだ。

 そしてそれを我慢することなく解き放つ。


「っ、せぇ、えきぃっ❤ いっ❤ あぁっ❤ ひィっ❤」


 脈動に合せるように、師匠ががくんと震え、尻を起点にのけ反る。

 俺の方は、歯を食いしばり、膝が折れないように必死だ。

 だらしのない叫びをあげ続ける師匠だったが、その射精を手助けするかのように、甲斐甲斐しく蠢いている。

 膝を震わせながらも射精を終えて、背を抱き直して、寝台に振りかえり、師匠の背をゆっくり寝台に降ろす。


「ぅ……ま、まてぇっ……❤」


 背に回した腕で、師匠の背が軽くのけ反っている。

 抜かないままの三発目だ。

 覆いかぶさって、今度は長く師匠を責めるべく、ゆっくりと動く。


「まてと、言うとろうが、ぁ❤ あっ❤ う゛ぅっ❤」


 師匠は細い肩をすくめたり、よじったり。

 堪えるように口を引き結ぼうとして、できずに声を漏らす。

 どこかで見たような悶え方――と思って、笑みが漏れた。

 孤児院での話――脚を抱えて固定して、足裏をくすぐった時の年下組の反応だ。


「何を、笑っておるかぁっ、馬鹿弟子っィ❤ あ❤ ぁふ❤」


 ゆっくり奥をこつこつと。

 それで師匠は身の悶えを激しくして、ぎうぎうと締め付けを強くする。

 こなれてはきたと思う。ひだの絡みつき方は、だんだんとねっとりとしたものになってきているし、反応も良くなっている。

 俺の形にぴったりと合っている。俺が師匠のイカせ方を知っているように、師匠も俺を射精させるすべを覚えた。

 かなり乱暴に犯したこともある。

 そもそも毎度毎度長時間犯している。

 だが、一向に緩くはならない。ただただセックスのために進化していくかのようだ。

 頭を抱きかかえる。身を折るようにして、上から突き降ろす。


「う゛ァっ❤ かっ❤ はっ、イっ❤ おなっ、とこ、ばかっ❤ りっ❤」


 執拗に執拗に、奥の一点を狙いすます。

 最も効率的に子宮を揺らせる位置だ。

 後ろから突いた方が突きやすいが、正常位に近い体位でも突けないわけではない。

 だから突く。

 師匠が声を失う。

 口を開いたまま、声にならない悲鳴を上げ続けている。


「ッ…………あ゛ッ、……っき、ァ…………!」


 しょろ、と音がする。

 先ほど我慢なさっていた小便だ。

 体勢的に、飛沫は師匠自身に降りかかる。

 むわ、とにおいがする――不快であるはずのにおいで、いやに興奮する。

 お、と叫びながら、師匠、と呼びながら、強く抱きすくめて、愛液精液をかき出し、穴をほじり返す。

 ひときわ強く、愛液がはじけ飛ぶほどの勢いで腰を叩きつけて、三度目の射精

 俺を背筋力で押し上げるほどにのけ反りながら、師匠が絶頂する。


「ッ…………! ァ…………!」


 かくん、がく、と、大きな痙攣を繰り返す。

 表情は見えないが、半ば白目を向いているかもしれなかった。

 肺を潰すように、身を抑え込んだからだ。

 びしゃッ、と。音がするような勢いで精液を叩きつけ、撃ち放つ。

 尿道精液が走る。我ながら、だまになってるんじゃないかって程に濃い。そして多い。

 狭い子宮口を通り抜けて、精液子宮を蹂躙している。


「っく、は……!」


 俺の方も呼吸を止めていた――身を起こせば、むわ、と湯気が立つ。

 師匠がぐったりとしている。

 いまだ抜かぬままに、後頭部に手をやって、目隠しを外してやる。

 水色に近い瞳があらわになるが、瞼が半ば落ちている。

 どこを見ているでもない茫洋とした瞳だ。

 目隠しは、汗や涙を吸ったのか、重く、塗れている。

 ……そして、においに気づく。

 流石にちょっとな。というにおいだ。ヤってる最中はひどく興奮するが、流石に立て続けに三発で少しは落ち付いた。


「……失礼」


 乳首をつまんでやると、師匠が身を反応させる。

 わずかにきゅう、とを締めて、そして涙を流す。

 尿道内に残留していた精液を搾り取らせる動きだ。射精を受けた内が、ぴくぴくと痙攣した。

 ゆっくりゆっくり引き抜けば、亀頭を追うように精液が噴出した。

 ぅ、とか、ぁ、とか、師匠がまた小さく反応する。

 その脚を縛る縄を解いて、ひっくり返し、腕を縛る縄を解く。

 わずかに、朱くなってしまっている――俺のような雑な肌ではない、きめ細やかな肌だ。

 頑丈であるとはいえ、ある程度の長時間、縄にこすれ続けばこうもなってしまうか――縄目が付いてしまっている。

 へそには尿や汗、愛液精液の混合液が落ちており、全身がてらてらと光っていた。


「……よし」


 解いた縄を同じく寝台下に放り投げて、抱え上げる。

 くったりと力ない。ひざ裏と、背に手を回して、更に上半身を胸に寄せて、半ば顎で固定する。

 腕がぶらりと垂れている。

 風呂に湯は張っていないが、こんな時だし、魔力式の炉を回してシャワーでも浴びようか、というところだ。

 廊下に出れば、多少は温かくなっている。

 帰りがけ、師匠を探すついでに暖房を点火していたのが功を奏した。全裸で歩いても、肌寒い、くらいで済んでいる。


「ついでに風呂もいれときゃよかったな……」


 まあ、今言っても詮無いことだ。

 終わった後で入れるよう、お湯は貯めておこう。

 風呂場に入り、師匠をゆっくりと降ろす――尻が床で変形し、肉がはみ出るように広がった。

 ごくり、と唾を飲んでしまう。三発出してきたばっかりだろうが、と思いながら、浴槽にお湯を出し、さらにシャワーを出す。

 温度を調整し、……まずは俺の方をざっと流して、そこから改めて師匠を抱き寄せる。

 瞼は閉じている。

 失神から睡眠に入ったらしい。

 抱き寄せると、改めて艶やかな肌だと実感する。

 そして、師匠は尻がとてもよい。

 当然のことながらと言うべきか、そこに接続される脚もよい。

 ……ただ、今回に限っては、すこし罪悪感が芽生える。

 白い肌の上に、縄目が走っているからだ。

 少し時間が経ったためか、跡が浮いてきている。

 温めながらマッサージしてやるのがいいかな、と思いつつ、シャワーを肌にあてていく。

 ごぷごぷと精液を吐き出す秘所は後回しで、まずは飛び散った愛液精液を、足先から。

 その次は腕。それから、汗みずくになった背を、髪を持ち上げながら流していく。

 そのあたりで、師匠の耳が跳ねた。


「……ぁ……」


 起きたか。

 ふる、と耳が上下に跳ねて、それから、俺の方を振り返って見てきて、


「――――。」


 目が合った。

 ぼーっとした、寝起きの目だったが、状況を理解したのか、ぱちり、と目が開いて、耳がもう一度跳ねた。

 そして、目線をそらし、俺を観察して、唇を尖らせ、ふん、と、鼻で一息。

 ちょっと不機嫌そうに前を向いて、胡坐をかいた。

 ええと、と、ちょっと戸惑う。

 正直いつものパターンなら肋骨全損だったが。

 いつでも回避できるように身構えていたのだが。

 そうして、こう――『早く洗うがよい』みたいな対応をされても、少し、困る。


「……あーと、頭、流しますね……」


 ぴこ、と長耳が動いた。

 いいということなのだろう。

 シャワーの温度をもう一度確認し、頭上から流そうと近づいたところで、背がこちらにもたれかかって来た。


「っと、」


 バランスを整えつつ、師匠を受け止める。

 顔がわずかに上を向いている。

 この状態でシャワーをかけるのは難しい。


「……師匠? ちょっと、下を……」


 師匠は目をつぶっている。

 怒っている……ような気がする。

 気がするが、なんだろうか。

 反応を待っていると、師匠はまた、フン、と一息吐いて、言った。


「……仮にも女を洗うのじゃから、いつもならー、とか抜かす前に、多少は作法を覚えるがよい」

「あ、はい。ええと、……すみません」

「なんじゃこれは。見よ」


 と、師匠が胡坐の足を延ばす。

 膝の内側を見せるような形だが、


「雑に流しただけじゃろう、おぬし。精液がまだこびりついておるわ、カスが」

「ぬ」

「わしの美身に溺れる。まあ許そう。じゃが、汚したのならばきちんと洗わんか」

「……返す言葉もございませんです」

「まったく……毎度毎度、出しすぎじゃし。わしのことも考えんか。考えなしにガツンガツン突きおって。しかも今回はなんじゃ、師の寝込みを襲って縛って犯すじゃと? 馬鹿弟子めが。そんなにわしが魅力的か!」

「はい」

「ぬがっ」


 と、師匠がダメージを受けた。


「子供か、まったく……まだ17じゃったか。まあよいわ」


 貸せい、と師匠はシャワーヘッドを奪い、ざっ、と頭からかぶる。

 雑だった。


「おいおい師匠、俺にはああ言っておいて……」


 湯を含んだ髪をかきあげ、師匠がぎろりと俺を睨む。

 普段とは違う髪型。いつもは見えない額も見えて、浅く立つ細い眉も見えていて、印象が変わっていて、ちょっとどきっとする。

 師匠が改めて俺の方を向いて、軽く胎を押す。すると、ごぶ、と、精液が漏れだしてきた。

 それを洗い流しながら、師匠は言う。


「これで終わりとでも言うのかおぬし。違うじゃろう。これで満足と言われては、むしろわしの方が傷つくわ」

「…………まぁ」


 それこそカラスの行水だ――ざっ、と師匠は全身を洗い流し、シャワーヘッドを放った(そしてほとんど音もなく元の位置に収まった)。


「……やり直すがよい」


 ころり、と、師匠は風呂床に寝そべる。

 腕を組んで、そっぽを向いて、足は肩幅くらいに開いている。

 仁王立ちのまま寝ころんだような姿勢だった。

 堂々としているような姿勢だったが、長い耳の先の先まで真っ赤だった。

 目を閉じているが、長いまつ毛が震えている。


「では」


 と、身をこするために置いてある手ぬぐいに手を伸ば、


「それはやめよたわけがぁ!」

「グボァ!」


 長い脚で蹴り転がされて風呂の壁に額をぶつける。

 いつつつつ、と額を押さえて見てみれば、壁にヒビが入っていた。


「……痛いじゃないですか」

「とか言いつつ手拭いをもって近寄るでない! やめよ! 師をなんだと思っておるか!? そこを再現せよとは言うておらぬわばがも゛の゛――!」


 胸を腕で隠しつつ、秘所を太ももで隠しつつ。

 師匠は尻で後ろに下がる。

 俺は蹴りを警戒しつつも近寄っていく。

 師匠の背が、反対側の壁に当たった。


「こ、……このっ、このっ!」


 踵が伸びるような、踏みつけじみた蹴りが来る。

 さっきの蹴りもそうだが、腰に力が入らないのか、いつものキレがない。

 2度蹴りを回避し、そして3度目の蹴りの足首を掴んだ。

 引き戻そうとする動きに合わせて、師匠に肉薄する。


「あっ、こ、こらぁっ……」


 膝をひっこめて、それで乳首を隠す姿勢だ。

 小さく縮こまって、覆いかぶさる俺を見上げてくる。


「っ……ぁ、ぅ」


 何かを喋ろうとしているが、声が出ていない。

 強張る肩に手をかけて、その額に唇を落とす。

 それを数度。

 閉じられた瞼、こぼれた涙、頬、そして唇にキスをする。

 舌を入れない、触れ合うだけのそれを繰り返すと、師匠の身から力が抜けていく。


「あふ……」


 目じりが蕩けている。

 潤んだ瞳と見つめあって、ふと思ったことを言う。


「師匠のデコって、じっくり見るのは初めてかもしれない」

「……おぬしなぁ。こういうときに、それかぁ……」


 ちょっと潤みが戻った。

 師匠はごしりと目じりを手の甲で拭って、肩に置いた俺の手を取って、


「うぉっ」


 次の瞬間、俺は師匠にのしかかられていた。

 出しっぱなしのシャワーが、師匠の背中あたり、俺の腰回りに降り注いでいる。

 体勢を崩されたことは理解できるが、どこがどうなってこうなったのかが分からない。

 師匠が俺の身の上を滑るように顔を寄せてくる。

 腹をぴったりと合わせた姿勢だ。


「……わしにも顔を見せよ」


 水色の瞳が、目を覗き込んでくる。

 最初も最初、触診と称して体中をべたべたと触られたが、その時にもこの近さで見つめられたな、と懐かしく思い出す。

 胸の高鳴りは、その時と同じくらいは高い。

 まああの時は、『魔眼の才能も無じゃな。カスめ』とか直後に言われた気もするが。


「……おぬし、だいぶ髪が伸びてきたのう」

「そうですか?」

「うむ。……顔がよう見えんわ」


 と、師匠が濡れた手指で髪の毛をかき上げてくる。

 そして言った。


「……案外デコ広いの、おぬし。へあけあはきちんとせねばならんぞ」

「すみません遺伝なんです元からだよぉ!」


 両親の友達だという方から一葉の写真を見せてもらったことがあるが、父も母も額が高い人だった。

 祖父母の写真は見たこともないし、祖父母を知る人と会ったことはないが、どうにも額から来るハゲの家系な気がする。

 不老化頑張らないと尊厳が死ぬ。


「ま、よいわ。そのうち整えてやらねばの」


 指が髪を抜けて、頬に降りてきた。

 左頬――師匠に全力でビンタされた場所だ。


「エルフのそのうちって100年単位になるって聞いたんですが」

「……そんなことはないぞぅ」

「だったら目を見て答えてくれるとありがたいんですがね師匠?」


 頬を撫でる手の脇から、手を背に回す。

 つ、と背をなぞると、師匠の身がぞわりと震えた。


「っ、これ……」


 同様に、腕を伸ばして尻を揉む。

 師匠は何かを言おうとしたようだったが、腕を使って起き上がり、髪をかき上げ、何事かを唱える。

 異空間から、かんざしが、手の内に出現する。

 それを使って、湯を吸った髪の毛をちゃっ、とまとめ、


「――よし」


 と頷いた。

 手早くまとめたもので、かなり雑な仕上がりだ。


「わりといつも、邪魔そうにしてますよね、髪の毛」

「まぁ、のう。短い方が楽ではあるが、色々理由あってのことでなぁ」


 輪郭を覆うもみあげを、くるりくるりと指先でもてあそび、言う。


「力の貯蔵庫としておる故、そうそう切れんのよ。……今のおぬし程度の容量であれば、この髪のひと房もあれば全快どころか破裂爆散する故、処分にも困る。無論、切る場合は鋏も特別製のそれが必要じゃな」


 が、髪を切る100倍面倒じゃ――と、師匠は憮然とした顔で言った。


「そのうち面倒になってザクッと剣で切って力が散らぬうちに、宝貝用の縄にしたりするんじゃがなぁ……そろそろ時期かの」

「……そうなると、ポニテさんは」

「邪魔だからまとめとるわけじゃし、邪魔にならん長さまで切るに決まっておろう。と言うか、毎度毎度あの髪型にするのはなぜじゃ。……なんじゃその顔は」

「いや……師匠っつったら、ポニテでしょう……ダメですよ」

「なぜわしの価値が髪型に凝縮されておるのかの???」


 俺は激怒した。

 必ず、かの邪智暴虐の師匠の意思を挫かねばならぬと決意した。

 俺には髪の長い女の気持ちがわからぬ。俺は、性転換歴もない男である。

 業を磨き、師にボコられ暮して来た。

 けれどもポニテに対しては、人一倍に敏感であった。

 つまりド許せぬ。

 普段の師匠を女神としたら、ポニテの師匠は美神である。そんなもったいないことさせてたまるか。


「っ、」


 ぎゅ、と尻を握ると、師匠が口をつぐんだ。

 深い尻の谷間を開きつつ、腹筋で起き上がる。


「ま、待たんか……待て、待て」


 師匠が俺の肩を押して、身を放す。


「おぬし、今、どこを狙っておるかっ……」

「尻」

「やはりかぁっ!?」


 だりゃっ、と師匠が身を翻す。尻から手指が離れ、長いおみ足が宙を薙いだ。

 師匠がくるりと身を回して、風呂場の中で距離が開く。


「……流石に恥ずかしいわ。"待て"を覚えよ、サルが」


 師匠は身を低くしたまま、猫科の猛獣じみて俺を睨んでいる。

 フー、と息を吐いて、俺が止まったことを確認したのか、師匠はゆっくりと身を起こし、膝立ちになった。

 胸元を左手で隠しながら、右手を背に回す。

 そして、ン、と、柳眉をひそめて、吐息を吐く。

 手は尻あたりの位置にあるはずだ、と思った瞬間。


「……《浄化》」


 と、尻の後ろで手が光った。

 んんん、と、師匠が背を反らす。

 ややあって、光は収まる。

 そして、右手の位置はそのままに、柔らかく身を折って、尻を半ばこちらに向ける。

 後ろに倒れこむように、ほぼほぼ完全に、尻がこちらを向いた。

 右の手指が、尻穴に入っていた。


「……わしの許可なく、こちらに触れるでないぞ」


 ぬぽ、と、尻穴から2本の指が抜ける。

 長く細い指の間――腸液が糸を引いている。

 わずかにもにおいが香らない。


「は、……はい」


 正直に告白すれば、混乱している。

 まさかって思いだ。

 押せば押せると思っていたところで、手を引かれた。


「それと、あまり激しくするでないぞ……尻穴なぞ、流石に鍛えておらぬわ……」


 師匠は、尻を掲げたまま言う。

 正座から前屈したような姿勢だ。


「それは、……今日は、許可してくれるってことで、いいですかね」


 師匠は無言のまま、長耳を一瞬上下させた。

 姿勢は、そのままだった。

 近づき、尻肉を割り開く。

 左手親指で尻たぶを割って、右手指を、ゆっくりと侵入させる。


「ン゛っ……!」


 指が入ったところで身を乗り出し、師匠の背にのしかかる。

 堪えるように背をたわませており、胸は床から浮いている。

 左手を下から侵入させ、痩せこけた胸の先端、乳首を撫でる。


「っ……ふ、ぅ……❤」

「三本目行きます」


 耳元でささやくと、尻穴がぎゅううと締まった。

 中指、薬指に加えて、人差し指だ。

 師匠が、あ、と、太い声を出した。

 姿勢的に、背中側を責めることになる。


「っき、ぅ……❤」


 師匠が、ぎゅう、と手を握ったのが見える。

 かわいい乳首をつまんで、優しくひねりながら、言う。


「入れて大丈夫そうでしたら許可ください」

「ん゛、なっ……!」

「よろしくお願いします」


 身を起こし、最後に乳首に爪をひっかけて手を離して、改めて尻に注力する。

 背筋側をこすることで、師匠の尻は浮いている。その膝裏に足を絡めてロック。

 胡坐の中に、師匠の足を入れたような姿勢だ。

 くびれた腰を左わきに抱えて、視界は尻だけになる。


「待っ……お゛ぅ❤」


 ぐぢ、と音を立てる。

 三本指で腸内をなぞる。

 まだ内に精液が残っているようなので、腕を回して腹側を奥側からこする。

 歯磨き粉を底から潰していくように、精液をかき出す。

 わずかに、こぷ、と精液が漏れ出てくる。

 上半身が暴れているが無視して、真っ白な尻に口づける。

 軽く歯を立ててみる。

 みっちりと肉の詰まったやわらかな部位は、果実と例えるべきだろう。

 脂肪の下の筋肉の躍動を感じる。

 無論のこと、手指の動きはその間も続ける。

 尻をほじり返すごとに、尻肉が震えていた。

 三本指を可能な限り奥まで突っ込んで、子宮らしき部位を突いてみたり、中で指を暴れさせてみたり。

 穴を内側から押し上げてみたり、可能な限り広げて、息を吹き込んでみたり。

 親指で穴を挟んでみたり、もみほぐしてみたり。

 一度指を引き抜くと、三本指分に広がった尻穴が、震えながら戻っていく。

 ……むしろ、こうしてまだ締まる力があるうちはまだ入れたら痛いのではないだろうか。

 もう少しほぐして、だらしないケツ穴にしてやった方がいいのではないだろうか。

 抱え込んだ膝から先がぱたぱた暴れて、上半身側が、


「も゛っ、もう、よぃ、い❤ 入れて、よいからっ❤ 穿るの、やめよぅっ❤」


 とか、泣きを入れてきているが。

 師匠のためを思っているので、心を鬼にして、ぴしゃり、と掌を尻に落とす。


「あぅうっ❤」


 2度、3度と繰り返せば、上半身側が大人しくなった。

 すこし朱くなった尻を撫でつつ、改めて尻穴のまわりを指でなぞる。

 腰を抱え込む左手を外し、両手で尻を撫で、そして、両手指でふちを押し、もみほぐしていく。

 そして、恐怖にか、あるいは期待かに震える尻肉――その中心たる穴に、両手の中指と、薬指を入れていく。


「あ゛ッ、あぁア……❤」


 両手の動きだ。

 刺激に飽きさせないようランダムに。

 完全に出来上がっているように見える尻穴を、更にダメにしていく。


「もっ、ぅ❤ うぅ、ばが、でしがァ❤ あ゛ぉっ❤」


 絶頂している――ような気がするが、まだまだだ。

 残念なことに俺のはデカい。

 師匠のデカ尻と言えど容易に呑みこめるものではない。ということにしておく。


「わ、しのっ❤ 尻を、ど、ぅ、すっ、ぐぅ❤」


 これだけ抉ってもにおいがほとんどしない――元々排便の類はほとんどしないエルフであるが、先ほどの《浄化》のためだろう。

 あれはあれで結構興奮すると言うか、これだけ美しい師匠でもにおうものはにおうんだよな、っていうギャップがちんぽにキくんだが。


「わ、わかったッ、わ、わしが、わるかったっ❤ だから、のっ?」


 何について謝っているのか分からないので、指に力を入れて拡張すると、師匠がのけ反って尻穴締め付けようとしてきた。

 締め付けようとする肛門を裏返すように指を引き抜けば、あ゛、と、師匠が一際大きな声をあげ、全身を痙攣させる。

 ……くったりと、師匠が脱力する。

 脚のロックを外して、師匠を裏返す。

 半分腰が抜けているらしい――涙を流しながら、師匠が俺を弱々しく睨んできていた。

 そして、目をそらし、伏せて、唇を噛んで、自分で足を持ち上げ、抱えた。

 秘所を、天井に向ける姿勢だ。


「い、いれっ……いれ、るが、よいっ……!」

「分かりました」


 即答して、何をどこに、と言われなかったので、指を開きっぱなしの尻穴に沿える――と、師匠は目をつぶって、自棄になったように叫んだ。


「おぬしの、ちんぽを、尻穴に! いれろぉっ! いれて、精液出してよいからっ、尻穴で、ちんぽしごいてよいからぁっ! ほじ、ほじってぇっ!!!」


 風呂場に声が残響する。

 それが消えたあたりで、師匠の頬に手をそえる。

 ぬるりとした感触がある――師匠の腸液だ。


「う……!」


 師匠がぽろぽろと涙をこぼす。


「うーっ……!」


 童女のように、師匠が泣く。

 膝を抱えたまま。愛液を垂れ流し、尻穴を開いたままで。

 背筋を悪寒じみた感触が走る。

 左頬の傷跡が引きつっているのを感じる。

 俺は、笑っていた。

 師匠はたぶん、マゾだが。

 俺は俺で、サドっ気があるのかもしれないな、と、思った。